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達人への道:41

不思議な日本語:これからの日本語は?
 
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《日本語はどうなるのか》

日本語はいろいろ物足りない点も多々あるが、全体としては立派な言語で、
ことに日本人の心情や生活態度をよく表している点では
日本人にピッタリの、かけがえのない言語だということになる。
それでは、この日本語は将来どのようになるか?

日本人の中には日本語は段々影響を薄くしていって、
終いにはなくなってしまうのではないかと心配する人があるようだ。
ことに近頃、英語の外来語が増え、また生の英語が跳梁することで、英語に取って
替わられるのではないかと懸念する人があるようだが、これは絶対に心配はいらない。
400年も欧米人の支配下にあったフィリピンや朝鮮の例を見るまでもなく、
現代日本語が英語の影響を受けているといっても、ほんの表面だけである。
その根幹の部分は全然侵食されていない。

次に、言語機器の発達により将来日本語にどういう変化が起るか?
コンピュータが漢字というものを拒否しなかったということは、
日本人にとって恵まれたことだった。
しかし、コンピュータが盛んになると、
若い人がどんどん漢字を書くのを忘れるだろうと心配する声がある。
確かに漢字の一画一画を正しくは書けなくなるであろう。
しかし、もともと漢字というのは手で書く時は
それ程正確に書かなくてもいい字なのではないか。漢字は画が混んでいる。
大体の形でどの字かが判るところに特色があるのではないか。
我々は昔の人がよく字を正確に書いたように思っているが、怪しいものだ。
例えば、筑摩書房の「島崎藤村全集」の口絵に藤村の自筆の序文が載っているが、
その1行目だけでも、陽・得・達の字がみな画が1本ずつ足りない。
当時の人は普段は行書や草書で書くことが多く、細かいことはどうでもよかった。
コンピュータが正しい字を打ち出してくれるなら、それでいいのではないか。

日本の地位が現在のように着実に伸し上がってくると、
日本語も国際語にならないかということが当然考えられてくる。
ある学者が日本語が国際的になるために3つの条件をあげている。
ひとつは先進国並みに日本語の世界普及のためにお金を使うこと。
これは国策の問題、政府の問題だ。
2番目は国連の公用語にすること。現在、公用語になっているのは
英語・フランス語・スペイン語・ロシア語・中国語・アラビア語の6ヵ国で、
日本語はドイツ語と共にまだ入っていない。
3番目が日本語をもっと簡易なものにすること、この3つを挙げている。
簡易な日本語という点では動詞の活用をなるべく簡単にし、
全て「…ます」の形だけにする。
否定は「書きません」、過去形は「書きました」、意志は「書きましょう」、
終止形は「書きます」、連体形は「書く」、命令形は「書きませ」
というような外国人向けの日本語作ることは大賛成である。
このような簡略日本語の他に標準日本語と言うべき
現在我々日本人が普通に使かっている日本語も使う訳で、
そうなると標準日本語の方がかえって簡略日本語の影響を受けて、
一部変化することも起きるであろうが、コレも受け入れていいのではないか。

最後に日本人の絶えず相手のことを考慮しながら話す態度、
ことに謝ることをよしとする態度は好ましいが、
外国人には通用しないから注意しなければいけない。
これには日本人の中での場合と外国人と接触する場合との
二役を演じ分けるようにすべきだろう。
しかし考えてみると、悪いことをした時に謝ってはまずい、
自分を主張すべきだという欧米流の考えはどう見てもいいとは思えない。
悪いことをした時に謝る。
そうするとこの人は非を認めているということで罪が軽くなる、
という方が好ましいではないか。


《方言コラム:14…北海道弁》

「いいふりこき」

関西弁にすると「えぇ格好しい」というところでしょうか。札幌人の気質として、よく挙げられる。しかしこれ、単に直訳できない微妙なニュアンスも含まれているんだな…という出来事があった。 昨日酒の席で、僕にいつまでも彼女ができないのは何故か、という話題に。「それは好きな人に弱いとこ見せへんからちゃう?」という後輩の指摘に対し「ま、たぶん“いいふりこき”だからな〜」と返したところ、「え〜?格好はつけてへんやろ!」と大バッシングを受けるハメに…。 そうか。恐らく関西弁の「えぇ格好しい」は、単に男前ぶることを指しているだけなのだろう。(例えるなら柴田恭平的な) しかし「いいふりこき」はそれだけではない。ある本によれば、こんな行動も「いいふりこき」に当たるらしい。 ◎金がないのに、あるふりをする ◎知らないことにも相槌を打つ ◎できっこない約束を安請けあい。 …あ、俺だー。

「なんもさ」

好きな北海道弁の一つです。関西弁で「かまへん」、英語で「Not at all」。 今は使うのかどうか知らないが、僕はよく聞いた。「ありがとうございます」と言えば「なんもさ」。「すみません」と言っても「なんもさ」。 何故だか知らないが、この言葉にはすごく暖かみがある。本当に許された安心感というか…。この言葉だけは廃れることなく使われ続けて欲しいものだ。

「あったかい」

別に関西でも使うやん、と思うでしょう。いやいや、北海道では使い方が違います。この言葉が一年で一番使われるのがこの季節。「随分あったかくなったねー!」と、街中に弾む人々の声。そりゃそうですよ、猛吹雪の厳しい冬を越したのだから。でも、そんな今でも夜になると水溜りには薄氷が張ります。

「あったかい季節になったら来たらいいしょ」

本州人に向けたこんな言葉も聞くのですが、それは今のことではありません。それは夏のことです。夏をあったかいと表現する…この衝撃ったらありませんでした。だって関西では「暑っ…死にそう…」っていう36℃な感じが「夏」なんですから。というわけで、1年暮らしてわかりました。北海道ではプラス気温を「あったかい」と表現するのです。気をつけろ!

ネットで検索したら、北海道の方言も一応あるにはあった。
「お笑い北海道方言辞典」
「妖しい北海道弁講座」
「北海道の方言」
北海道の方言
「北海道方言講座」
「北海道弁の紹介」
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突然ですが、訳の判らないまま「不思議な日本語」というシリーズはこれにて終了。
長らくおつき合いいただきまして、ありがとうございました。
by tomhana0903 | 2006-08-18 06:53


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